肺活量の検査 基準値外だったら?
もっと詳しく
 What's 肺機能?
基準値外だったらどうなる?

肺活量の検査では、さまざまなことが分かります。
肺気腫、肺線維症、気管支喘息、肺結核など種々の呼吸器疾患の診断や、手術が可能であるか否かの判断、また、手術後の回復能力の判定、気管支喘息や気管支拡張症などの病気、体力測定など幅広く応用されています。
主に、%肺活量、1秒率の数値が基準値外の場合、次のような病気が疑われます。


%肺活量
80%以上(正常) 80%以下
1秒率 70%以上 (正常) 正常 (1)拘束性換気障害
70%以下 (2)閉塞性換気障害(COPD) (3)混合性換気障害

(1)拘束性換気障害
肺や胸郭が広がらないための換気障害。肺自体の病気の代表的な疾患は間質性肺炎です。
間質性肺炎とは、肺のガス交換の通り道(間質)に異常がある肺炎で、病状が進行するとかなり重篤な事態に陥ってしまいます。他にも胸郭系が硬くなる疾患には、結核性胸膜炎やがん性胸膜炎による胸水貯留などがあります。

(2)閉塞性換気障害(COPD)
代表的な疾患としては、気管支喘息、肺気腫、慢性気管支炎などがあります。

気管支喘息 気管支が炎症を起こし、何らかの刺激で腫れたり痰が出たりして狭くなり、呼吸が苦しくなる病気です。
肺気腫 肺胞の壁が破壊され弾力性が低下した結果、息を吐き出すときに十分に空気を吐き出すことができず、肺がいつでも膨らんだ状態になってしまう病気です。中年以上の男性に起こりやすく、ほとんどが喫煙歴があります。
慢性気管支炎 慢性炎症によって気管支の分泌物が過剰となり、せきとたんが長時間続く病態です。進行すると気道の壁が固くなって気道が狭くなるため、息苦しさも加わります。慢性気管支炎と肺気腫は併発することがよくあります。

(3)混合性換気障害
高度の肺気腫など、肺疾患がかなり進行した場合を混合性換気障害と言います。この場合、気道が狭くなり、肺の広がりも悪くなっています。一般的には、閉塞性換気障害の症状が進行して混合性障害になります。

こんな自覚症状ありませんか?
拘束性換気障害 ・呼吸が浅く速いパターンになる
・動くとすぐ息切れがし、乾性の咳が出る
・身体がだるい
・ばち状指になる(指の末端が球状・錘状に膨らんでいる状態)
気管支喘息 ・発作時には呼気性の呼吸困難になり、息を吐くのに苦労する
・慢性化した場合を除けば、発作がないときは無症状
・明け方に発作が起きやすい
肺気腫 ・最も多いのは、息切れ(呼吸困難。しかし、進行はゆっくり)
・最初のうちは歩いたり登ったりすると息切れしていたのが、最終的には話をするのも息苦しくなる
・咳、痰がでる
慢性気管支炎 ・長期間続く咳
・ヒューヒュー、ゼイゼイというぜい鳴
・痰がでる
混合性換気障害 息を吐くのも吸うのも苦しくなる
もっと詳しく    What's 肺機能?

閉じる