
GOT
100IU/l以下の場合、無症状で基礎疾患がないときには、肥満による脂肪肝やアルコールによる肝障害が疑われます。
100〜500IU/lの場合、GOTがGPTよりも高くて急激に悪化する場合には、急性肝炎や慢性肝炎の活動期が考えられます。急性肝炎にかかると早いうちからGOT値が上昇し、ピーク時には500〜3000IU/lぐらいまで上昇することも。
GPT
肝細胞の破壊が強いときには血液中のGPT値が異常に上昇します。GOT値と同じように変動し、急性肝炎では発症1〜2週間後に2000〜3000IU/lに急上昇することも。また、慢性肝炎や脂肪肝でもGOTよりGPTが高値(100〜300IU/l)になります。
ただ逆に、肝硬変や肝がんなどの肝障害があってもGOT、GPT値ともにあまり上昇しないこともあります。
γ-GTP
アルコールを飲む人は、GOT、GPTが正常でγ-GTPのみが2〜3倍に上昇することも。この場合は、アルコール性肝障害は起こしていないものの、アルコール量が体の負担になっていることの表われですので、飲酒習慣を見なおす必要があります。
また急性肝炎、慢性肝炎、薬物性肝障害、肝硬変、肝臓がんなどの肝機能障害の場合にも数値は高くなります。
その他、胆管から十二指腸に至る道筋(胆道系)の疾患(胆道疾患=結石、がん、胆のうや胆管の炎症)があると、血液中に大量に放出されることがあります。
さらに薬を長期間服用している場合、すい臓がんの場合にも基準値をオーバーすることがあります。
総ビリルビン
肝機能障害や胆管障害などがあるとビリルビンが血液中に増加しますので、ビリルビン値を測定することでこれらの臓器の障害を調べることができます。特に、総ビリルビンは黄疸を確認する検査として用いられます。
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GOT・GPT
高血圧によって起こる
主な合併症 |
脳 |
脳出血、脳梗塞、くも膜下出血など |
心臓 |
心筋梗塞、狭心症、心不全、心肥大など |
腎臓 |
腎不全、腎硬化症など |
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疑われる主な病気
GOT、GPTが急に高くなる 急性肝炎など
GOT、GPTが100前後かそれ以下 肥満、アルコールの飲みすぎ、慢性肝炎など
GOTよりGPTが高い 急性・慢性肝炎、脂肪肝、胆石など
GOTが高くなり、GPTがちょっと高くなる 心筋・骨格筋などの筋肉の障害
γ-GTP
《アルコール性肝障害》
アルコールの飲みすぎで起こる肝臓病。1日に日本酒換算で3合以上、を5年以上続けて飲んでいる人に多く見られます。しかし、飲酒量と肝臓病の程度には個人差があり、長期間大量のお酒を飲んでいても肝臓病にならない人もいれば、その逆もあります。また、女性は男性の3分の2の飲酒量でも肝障害になると言われているので、お酒好きな女性は要注意。
2〜3ヵ月の禁酒でγ-GTPが正常化することが多いようですが、正常に戻ったからといって以前と同じようにお酒を飲むのは禁物。脂肪肝の状態でも禁酒ができず、大量にお酒を飲みつづけていると突然、アルコール性肝炎を発症し、重症の場合は死亡する危険性も大。
発熱、下痢、腹痛、黄疸、腹水などの症状が同時に見られる場合は要注意。 |
GOT・GPT
全身のだるさ、食欲低下、吐気、嘔吐、黄疸など |
急性肝炎の疑い |
だるい、疲れやすい、酒に酔いやすい、胸にクモの形をした赤い斑点、手のひらが赤くなる、指先がふくれるなど
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肝硬変の疑い |
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γ-GTP
黄疸、息切れ、めまい、耳鳴り、動悸、倦怠感など |
溶血性貧血の場合 |
ひどくだるい、発熱、吐気、食欲不振、腹痛、黄疸、茶色っぽい尿など
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急性肝炎の場合 |
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